Taiji-90 (モデルクラフト)

エンジン
YS F-91AC
プロペラ
APC 13×11 (9,300rpm)
エルロン サーボ
Futaba S9101×2
エレベーター サーボ
Futaba S9252 (Digital)
スロットル サーボ
Futaba S135
ラダー サーボ
Futaba S9203
引込脚 サーボ
Futaba S136G
送信機
Futaba FF9A
受信機
Futaba R149DP
バッテリー
RC-HOBBY 4.8V 1500mmA ニッケル水素電池
引込脚
オリジナル / Quick製アルミ削りだし
タンク
MK 400cc
マフラー
ハットリ製 YS91用
仕上
オリジナルフィルム
重量
約4,0kg

■ 概要 ■
15年位前に知合いが○井模型から完成機ということでモデルクラフト製のパイパーカブをあまりの安さに購入したが、その完成度 というとはっきり言って最悪でまるで何も判らない素人が作ったような感じの粗い作り方で主翼の前縁すら丸く削っていなかった事もあり、そのイメージが強かったのでこのメーカーにはあまり良い印象がなかった。
ところが少し前の雑誌の競技会や飛行会の写真などでTaijiを飛ばしているのはよく見かけるようになったが派手なアジア的な配色がちょっとトゲトゲしく、ヤフオクなどでもよくこのメーカーのヒコーキを見かけるようになったがイマイチ触手が伸びなかった。
ところがある日、YSの90クラスの良いエンジンがないかヤフオクでYS90をキーワードに検索しているとエンジン、メカ付の中古のTaijiを見つけ、ヒコーキにはちょっと抵抗があったが思わす速攻でゲッチュ〜してしまった。

グラス製のアンダーカウルを外したところ。Quick製のARF機と違いこの部分の構造は国内製の完成機と同じ構造で、主翼の接合後ガラスクロスで補強や面倒なカウルの部分が工作済みだと言うことなのでかなり完成度の高いキットだ。
このヒコーキにはなぜかFutabaのプラグヒート装置が装備されていたがスタント機には全く不要なのですぐに外してしまった。タンクもこれまたなぜかMK製のオーロラ用の420ccが防火壁直後に搭載されていたが重心位置付近にやはりMK製の角型の400ccの物を搭載し直した。
サーボはプレートではなくベニア製の棒が渡してあるだけなので見てくれはかなり悪い。エンコンとエレベーターのリンケージはかなり渋かったので交換した。エレベーターは外してみるとロッド棒が重たいラワン材だったりしたのでバルサの丸棒でサーボ側がテトラのボールタイプ、舵側がベルウッド製のBBタイプを使った。
尾輪はキット付属の物が取り付けられていたがラダーに直接リンクされておりサーボのギヤを欠けやすいので定番のIM製に交換した。エレベーターのリンケージは長い胴体の関係でやはり長くなってしまったのでガタ防止としてパイプを通している。
エルロンリンケージはボール(ボール:JR、ロッドエンド:K&S)とBB(ベルテック)のいつもの組合せ、コストパフォーマンスも良いので最近この組合せばかり、ロッドはニフテック製のBBアジャスターの関係で2.3mmφを使っているが実際は2mmφでも十分だ。
引込脚は物はためしにQuick製の削りだしタイプを使ってみたがアルミとはいえオール金属製でしかも脚線が4.5mmφと太いので重量がかなりかさんでしまうのでまた樹脂製に戻そうと考えている。

このヒコーキは実にスーパー超ウルトラだっせぇ〜名前が付いてはいるがディメンジョンはスタント機としてはなかなかバランスが取れていて、しかもサイドビューはどこかオーラム系の雰囲気を匂わす。テールモーメントはなるべく長くなるように最大限の努力がはらわれていて水平尾翼も大きくかなりの尾翼容積が確保されている。側面形はオーラム系の流れを持つので垂直尾翼は小型で最近のスナップロールの多い演技にも十分対応している。しかも後部胴体の面積は十分にあるのでラダーの面積は十分に確保されていてストールターンでも問題はないと思う。
主翼はテーパー比が強く目測で12〜13%位の薄翼でまるで140クラスをそのままサイズダウンしたような感じでこちらもかなり意欲的な設計となっている。ただしフルプランクのせいか主翼はかなり重くなってしまっているのが残念だが剛性に優れるので操舵製はかなり向上している事が考えられる。またヒコーキ全体の振動も押えられるので若干排気音もマイルドにできる可能性もある。またせっかく施してあるセンターのグラス巻きだがしっかりサンディングしていないのでフイルムの上から繊維の目が出てしまっていてあまり見栄えがよろしくない。
構造もしっかりとしたスタント機の構造なので特に手を入れなくてもキットをそのまま組み立てれば問題はないとは思うがこの手のARF機の例に漏れずリンケージパーツはハッキリ言って耐久性に問題が出ると思うのでそのまま使うにはこまめなメンテナンスが必要になる。気に入らない人は国内メーカー製の物に交換してしまう必要がある。
胴体の構造は上面が発泡スチロールにバルサプランクがされていて最近の140クラスのトレンドをすでに取り入れている。この構造だと胴枠の跡が出にくいので太い軽量の胴体を形成するにはこれからは必須の構造だと考えられるのでずいぶん先見の目があったのではないかと思う。ただしエンジンマウントはフローティングタイプではないのが残念だ。

■ フライト編 ■
かなり重量のあるヒコーキなのでスロットルを絞り気味にして低速で飛ばすのはかなり辛いので開き気味にして走らせるか、またはYSの110を載せてパワーで振り回さないとまともなパターンを描く事はムズいヒコーキだ。せっかく基本的な設計がしっかりしているのに残念だ。これでもう300g、いや200g軽ければ91ACでもフローティングマウントではないのでしっかりパワーが出ているのでそこそこな飛びをすると思う。全体的にしかっりした構造で剛性も高く割合共振している部分がないのでリジットなマウントだがTSUBAMEなどのフルプランクではないヒコーキよりは排気音は低く感じる。

水平飛行は十分に確保された尾翼容積とテーパー比の強く重たい主翼でピッチ方向もロール方向にもかなり安定していて俗に言うスワリは良いヒコーキだが、裏を返せばロール方向は止まりが悪いのでロールが入る演技はスカッとエルロンを打つのは厳禁でにゅる〜と打つ様に心がける方が見苦しい回し過ぎを防止できる。またその方が実機らしい落着いた演技になるので個人的には割合好みのフィーリングだ。

ピッチ方向はやはり十分な尾翼容積で縦物の演技もやり易いが如何せんYSの91ACではキツく十分に機速をつけてからスタートした方が良い。エレベーターもやや初期が鈍い感じで全体的には良く言えば落ち着いた感じ、悪く言えばドッコイショ的な感じでこちらも決して嫌いなフィーリングではない。ただスピンやスナップロールでは止まりにくいのでかなり慣れが必要になる。

側面積は今となっては広い方ではないがパターンを練習をするには十分と思われる。また小ぶりの垂直尾翼のおかけで横風時のヨー方向の安定性は風上方向に頭を向ける傾向はかなり少ないので現在主流の側面積のあるヒコーキよりははるかに飛ばしやすい。

石井模型で4万円強というビミョ〜な値段で販売されているがもう少し出せばストリーム90やエクスプローラー90を量販店で購入が可能だし、Quick製の90クラスはこのヒコーキよりも1万5千円ほど安く買う事ができるので悩ましいところだ。ただ販売店側で後継機種ということでこれまただっせぇ〜名前のZen90が平行して販売されているが時代に逆行してサイズが小さくなっており、しかも耐油性には優れているが肝心のダンパー効果のほとんどないウレタンゴムを使ったフローティングタイプのラジアルマウントはほとんど消音効果は無いものと考えられる。何よりも平行して販売されているところがやはり性能的には決して後継機が上回っていない事を物語っていると思うのでそちらを購入するよりは本機の方が個人的には良いと思う。ヒコーキその物の設計上のポテンシャルは決して低くないがかなり重量があるので残念な所だ。もし何かの縁でTaijiを手にした人は出来たらFZ110を載せて機速にまかせて大きなパターンを描いてやっくだはい、ただ検定会や競技会では現在の主流の飛ばし方ではないので点は出ないとは思いますが丁寧に飛ばせば何とかなるかも・・・・

■ 履歴 ■
2005/05/29
第294回 JRA検定会 長野大会でアドバンズドCに出場。アバランシュで3点をくらうが余裕で合格はできた。