HOPE-25 (ムサシノ模型飛行機研究所)

エンジン
OS MAX-25FP
プロペラ
APC 10×4
エルロン サーボ
WAYPOINT W-150 (W:13g T:2.5kg)
エレベーター サーボ
Futaba S3101 (W:17g T:2.5kg)
スロットル サーボ
GWS NARO PRO/STD (W:12g T:1.6kg)
ラダー サーボ
GWS NARO PRO/STD (W:12g T:1.6kg)
送信機
Futaba FF7A
受信機
Futaba R137DP
バッテリー
RC-HOBBY 4.8V 320mmA ニッケル水素電池
タンク
IM 150cc
仕上
主翼、水平尾翼:オラカバ(クリアブルー)
胴体、垂直尾翼:オラカバ(ホワイト)
重量
約1,1kg

■ プロローグ ■
ムサシノといえば記念すべきRC入門機として選んだ(模型屋のオヤジに選ばされた)ヒコーキがスカイカンガルーUで思い入れのあるブランドではあったが、スタントにのめり込む様になるとスピードスタント時代ということもあり、うなりをあげて飛ぶスタント機に反旗を掲げユックリズムをモットーとする同社には見向きもしなくなってしまった。
ところが日本選手権の常連で大阪時代のスタントの師匠のCさんが何を思ったかある日突然スタント練習の合間にMKのHAPPY−20にOSの19のエンジンを載せてラダー機でもあるにもかかわらずロールや背面、さらにはキューバンエイト、ダブルインメルマンなどの演技も行っていた。これにはちょっとビックリ、この手の演技はエルロン機がやる演技とばかり思っていたからである。ガ━━(゚Д゚;)━━━ン!! 実は同氏、RCはリード式の頃からやっていたのでシングル機でもこの位の演技は当り前だと一笑されてしまった。
感化されやすい性格なのですぐにラダー機が欲しくなり同じくMKのタイガー10Yという本来はシングル機として設計されたヒコーキを買って勢いで作り上げた。本来はハッピー20がほしかったが手持ちで20のエンジンがなく、たまたまスカイカンガルーで使っていたENYAの15があったのでそのヒコーキに決まった。比較的小型で軽量だったでの15エンジンではオーバーパワーなほどでかなりのスタント飛行ができ、他にもリボンくぐりなどの大会に活躍した。
家にUターンしてからは再びスカイカンガルーを飛ばしだし休耕地や採草地でかなり楽しんだ。すると同社からセスナ機のデティールを持つプレイリーが発売されたのでさっそく作って飛行場に持っていくと仲間に拝み倒されてすぐに持っていかれてしまった。当時のムサシノ機は素材キットということでかなり手のかかるキットだったので次はお手軽にOKのQB(クイックビルト)25H買ってエルロンを固定してラダー機としたが使われている材料がイマイチで重量は1.3kgにもなってしまいムサシノ機のような軽快な飛行は望めなかった。
最近いろいろWebを訪れるとけっこうムサシノ機を紹介しているサイトがあり、多少作るのがメンドくても飛行は素晴らしいという話をよく聞くのでちょっとウズウズしてきた。おりしも空撮用に買ったNavigator25は完成度が高いキットだが重量は1.6kgにもなりあまり飛行を楽しめるヒコーキではなく空撮以外の用途にはまったく飛ばさなくなった。

■ 製作扁 ■
Navigator25はあまり飛行を楽しめるヒコーキではなかったので同じようなサイズということでムサシノのHope-26に2サイクルの25 を積んで空撮やユックリズムを楽しもうと思いヤフオクで安く出品している人がいたのですかさずケッチュ〜♪(゜∀゜)
以前から変らない木目模様の箱をさっそく開けてみるとかなりビックリ (◎皿◎)ナンデスト!! 主翼や尾翼の前縁材は丸く加工されていたりエルロンやエレベーター、ラダーもテーパーカットやVカットもされているし、ベニヤ部品やリブはレーザーカットとまではいかないがダイカットされていてスロットインではないがまるで某○Kのキット並みの内容になっている。ムサシノ=素材キットというイメージが以前作ったプレイリーでは出来上がっていて、自分で加工するようにバルサ板が入っていただけの以前のキットからはかなりかけ離れている。

昔は木工ボンドでチマチマ作ったものだがこのヒコーキはエンジンマウントを含めすべて瞬間で一気に生地完まで持って行ってしまった。主翼は図面の説明通りに作るとねじれず正確に仕上がる。胴体は瞬間で作ると2時間ほどで完成するが、胴体前部は防火壁や胴枠にはすべてコーナーに補強材が用意されているのでエポキシを使う必要性はばろの群長的には全くない。ただマウント周りにはポリエステルを塗ってしっかり耐油処理を行うのは必須作業だ。また主翼もオール瞬間なのでセンターは必ずグラス巻きを行う必要があるが、キットの説明ではでガラスクロスにエポキシを塗るように書いてあるが強度を上げるならポリエステルの方がベターで、しっかりサンディングもできる。

組上がったらサンディングだが最近はダイソーで売っているスポンジ付ペーパー#240がお気に入りで特に主翼にはプランク材にリブの跡が出にくいのでかなり有効だ。ただ毎度のことでサンディングに熱中するあまり今回も胴体を中が見えてしまうまで研いてしまった・・・・(´д`; )
フィルムは飛行場以外の不整地などで飛ばす事も想定して穴が開いてしまわないようにオラライトを使わずにすべてオラカバを使って仕上げた。

エンジンはOS MAX-25FP 特にメンテナンス性を重視してこのエンジンを選んだ。ヤフオクでかなり安めにゲッチュ〜できたエンジンだが使用頻度が少ないようでライナーなどもまだメタル色をしていた。タンクは中スローが中心になるので150ccもあれば10分は余裕だ。
エンジンの取付はキットではビス、ナットで取付けるようになっているがメンドいので3mmのタッピングビスで止めたがネジ穴に瞬間を流しておけばネジバカになる事もない。
タイヤは軽量なGWSのナロータイプ。某○K模型(ウオ〜ヽ(`Д´)ノ 伏字になっていないぞ〜)でもEタイヤという名前で販売されているが空気抵抗も少なくなりかなりお気に入り。ホイルストッパーはQuick製の扁心タイプを使ってみたがパッと見た限りでは判らない。
このキットは10インチのプロペラを想定していないようなのでプロペラと地面のクリアランスが3cm位しかないのでかなり慎重に着陸しないとプロペラを痛めてしまう・・・・(´д`; )
このキットではムサシノお得意の水糸リンケージだがハッキリ言ってこれは使えない。水糸は寒暖の差でかなり伸び縮みするので特に夏場はちょっとつらい。( >Д<;)クッ クルシイ・・・
確実なのはやはりロッドリンケージなのでピアノ線の部分を短くすれば重量増加も最小限にすむ。小型機なのでバルサ棒は6×6mm 位のソフト材で十分だ。
メカ類はサーボはマイクロサーボ、バッテリーは320mmAのニッケル水素を使っているので昔の09クラスの重量で仕上がる。
スロットル、ラダーサーボはさほど信頼性が要求されないので\1,350で買えるGWSのNARO PRO/STDにした。どんなヒコーキでも重要なエレベーターはしっかりFutabaのS3101の新品を使っている。
ロッドはバルサ棒にピアノ線を差込んで瞬間を流しただけではあるが強度は十二分。
エルロンサーボは最悪ラダーで方向制御ができるのでFutabaを使うまでもないと思いGWSよりやや信頼性があるような気がするWAYPOINTのW-150を使用、サーボホーンなども共通なので使いやすいサーボだ。
よくARFのキットに付属されているサーボホーンに取付けてイモネジでロッドを固定するロッドストッパーは振動で緩んだりショックを与えるとニュートラルが狂ってしまいメンテナンスフリーではないので使用は見合わせた方が賢明だ。

リンケージに関してはしっかりとしたセスナ機タイプのキャビンを持つ設計の胴体なのでスペースがしっかり確保されており普通のサーボやバッテリーを使っても問題なく搭載が可能だ。このヒコーキをフルパワーでギンギンに飛ばす人はまずいないと思うので中スロー以下でゆっくり飛ばすならマイクロサーボ、しかもエレベーター以外なら安価な防震対策が不十分な電動機用のサーボでも問題なく使用できると思う。バッテリーに関しても軽量な320mmAのニッケル水素がベストマッチで10分位の飛行なら3回ほど飛ばす事ができる。

重心はさすがに注意深く設計されているので図面に記載されている位置にメカ類を搭載すると大きく外す事はない、このヒコーキは10mm程前に来たがモーメントの設計はかなりピンポイントな数値になっていると思う。後ろ重心になってしまうヒコーキほど困るものはない。前重心の場合は飛ばしてみてから気に入らなければテールにおもりを積めばよいがわずかな量で済む。

脚はムサシノ機独特のベニヤ板を組合わせたマウントだが図面の説明通り作ると取外してメンテナンスができなくなってしまうので加工しやすい銅板とタッピングネジですぐに取外せるようにした。特にメインギヤは簡単に施す事ができるのでやっておいた方が良い。

■ フライト編 ■
風の少ない時間をねらって初飛行を行う、このヒコーキは重量やエンジンのパワー的に問題なく滑走離陸するとは思うが前記の通りプロペラと地面のクリアランスが少なく、地面のギャップや草でプロペラを痛めてしまう可能性が高いので手投げでスタートする事にした。電動機とは違いあまり強く投げなくても沈む事もなく上昇していくがプレイリーやスカイカンガルーのようなクラークYの主翼を持つラダー機とは違いやや機速にのった飛び方をする。またパワーが入っていても頭上げの傾向は少なく今までのムサシノ機とはイメージがかなり異なる。

ロール方向の安定性はキットの図面よりもやや上反角(よく上半角と書いている人がいるがこれは誤変換)を強めにしてラダーでも旋回しやすいようにしてあり、さらにエクスポネンシャルも-30程入れたのでスタント機に比べるとかなりダルな感じでクセのある利き方だが上反角のしっかり付いた矩形翼なので当然と言えば当然である。背面に入れてもあまりダウンを必要とせず安心して場周飛行ができるのでかなり低い所に持って来れると思う。

ピッチ方向は最近のトレーナー機としては胴体が短くテールモーメントもかなり短いが、水平尾翼がかなり大き目の設計のおかげで低速でも尾翼容積が充分に確保されているので安定性は他のトレーナー機よりも優れているかも知れない。テールが短いのでこの手のヒコーキとしてはエレベーターの初期はやや敏感に利くのでエクスポネンシャルを-20〜30は入れた方が良いと思う。また背面からのリカバリではフルアップで5m位の半ループで簡単に水平飛行に遷移する事ができる。またフリップとまではいかないがエンコンを使いかなり小径のループを連続させる事もできる。エルロンとエレベーターの利きはかなりバランスが悪いのでインメルマン、スプリットSを組合わせた演技はやりにくいが逆に腕の見せ所とも言える。

着陸に関しては半対称翼なので比較的進入性は良くスロットルを絞ると頭を下げてスーと降下を始めるのでUPを少し引いてアプローチをしてしてくれば良い。軽量機なのでかなり低速でも失速の心配はないが機速が残っているとタッチダウン寸前の地面効果で浮き上ってしまいバウンドしやすいので注意が必要だ。

この手のヒコーキはスラストラインよりもかなり上に主翼が付いていて取付角も付いているのでフルパワーでは頭上げの傾向を示すがこのような設計なので当然の結果である。フルパワーで水平飛行をしてスタント飛行をしたい人は始めから対称翼の低翼機を飛ばす事をお勧めする。
設計者の意図を尊重してエレベーターのトリムは地上で水平面に対して舵面が真直ぐにニュートラルを合わせたら飛ばしている時は特に修正する必要はない。上昇降下はエンジンでコントロールすのが本筋なのでこのヒコーキではややオーバーパワー気味の2サイクル25エンジンを搭載しているので水平飛行はハーフスロットル以下で充分だ。しかもかなりのサイレント飛行が可能なので周囲にかける迷惑も最小限で済む。基本的にエレベーターの役割は旋回時の頭下げを修正するのが本来の使い方となる。
ラダーも操作する事により飛行場内で2〜3m位の高さで場周飛行や8字飛行もできるが案外この高度を維持して低速で飛行するのはムズいのでけっこう楽しい。今はRCメカもかなり安く手に入れる事ができるので1機手元にあると色々楽しめるが、決してフルパワーで飛ばすヒコーキではない。

《追記》

もう少し早く書けば良かったが何回か飛ばしてみてさらに面白い飛ばし方を見つけた。このヒコーキは1,080g位で完成したがエンジンはOSの25FP、プロペラはAPC10×4とスペックを書いてみるとすぐピーンとくる人がいると思うが、つまりほとんどファンフライのスペックになる。
スローで目の高さ進入してきておもむろにエンジンを吹かして垂直上昇させて10m位でパワーを抜いて機速がなくなったところでエンジンをあおればホバリングができ、体勢が崩れなければそのままトルクロールにも入るはずだ。ただ、ファンフライのように舵面が大面積、大舵角ではないので体勢が崩れたら修正はできない。うまい人なら体勢が崩れそうになる前に修正してしまうので可能なのかも知れないがヘボヘボのばろの群長では短時間しかできない。しかもリカバリにはかなり時間がかかるので低空で行うのは厳禁だ。
次にスローで進入してきて目の前で吹かしてそのままどんどん上昇させてそのままループする事もできる。ただ引起しを目の高さを狙うと舵面が小さいので引起せなくて地面にまっしぐらと言う事も有り得るので抜けは無理をせずに高めに抜けた方が良い。
ともかくこのヒコーキは軽く作るとまだ面白い飛ばし方ができるかもしれないので1機作ってみたらいかがだろうか。(゚∀゚)

■ 履歴 ■
2005/05/01
クラブの飛行会でリボンくぐりでけっこう通過したが3分間タイムラリーで大幅にタイムオーバー・・・・・(TДT)
2005/10/23
イリサワ エンジョイ飛行会 in 松本 で風の関係でモスキートモスの代わりに出場。7秒間オーバーで沈む・・・・(TДT)
抽選会ではトレーナーとバルサキットをゲット ズサ━━━━⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡━━━━!! できた。