プロペラバランスについて
電動機に限らずプロペラは飛行性能を左右する重要なアイテムだ。モーターやエンジンの最大限に引出すにはまずはプロペラのスタティックなバランスが取るのが最も基本的なチューニングとも言える。
バランスが悪くて振動が発生しているという事はモーターやエンジンのパワーをその振動でロスっている事になる。限られたパワーを最大限に生かすためにもプロペラのバランス調整は慎重に作業しよう。
エンジン機と違い電動機は今だにデータの定量化が進んでいないのでプロペラはゾロゾロ増えてしまう。パッケージから出していない物まであったりする。
プロペラを購入する時はこのHyperion製のセンターリングも同時購入しよう。APCのEペラにはプロペラと同じ材料で成型されたセンターリングが同梱されているが成型品は精度に問題があるのでこのリングがお勧めだ。ちなみに5個入りで\280とリーズナブルな金額になっている。
APCのプロペラはセンター穴が2段になっていて、ドライブワッシャー側が基準穴になっていてセンターリングがしっくり入るようになっている。フロント側は良く切れる歯を使ってボール板にて穴を広げる。サイクロンF3AやHackerのC50などはシャフトが8mmφなので8mmの歯を使う事になるが、リーマーで広げるのはセンターオフになりやすいのであまりお勧めできない。

センター穴が出来上がったらいよいよバランサーを使ってバランス取りになるが、使用するバランサーはもちろん浮遊タイプがお勧め。(゜∀゜) 次に整形用のペーパーは#320、#600、#1200位を用意する。
まずはブレードの前縁や後縁、先端をバリ取りを#320で行う。次にバランサーにて測定して重たい方のブレードの下面をやはり#320でシコシコとバランスを測りながら根気良くひたすら削ります。中にはかなりバランスがかなり悪い物ありブレードの前縁なども削ったり悪あがきをしてみたりするがブレードの翼型が変わってしまうのであまりバランスの悪い物は使用しない方が良いと思う。
ある程度バランスが取れたら#320で付いたペーパーの跡を#600や#1200を使って表面仕上を行う。#1200をしっかりかけると元の艶とまではいかないがけっこう艶が出てくる。またバランス判定は水平と45°傾けて動かなければOKだがここまでやっていると1時間位はかかってしまう。
また、その日の飛ばし始めには必ずプロペラナットの緩みを点検して、ついで30°位ずらして締め付けて飛行中の共振音が少ない位置になったらマジックなどで位置マークをドライブワッシャにつけて次回プロペラを取り外した時にはもとの位置に戻せるようにすると良い、
小型機ではブレードにテープなどを張ってバランスを取っているが、F3A機では危険なのでやらないようにしよう。フルパワーで2500W〜3000Wの出力を受持っているのでブレードにかかる空気力は比較にもならないと思うし、しかも飛行回数がF3A機は多くなるのでテープの粘着材が経年変化で弱くなり飛行中に剥がれる可能性がある。
経年変化と言えばプロペラ本体はグラスナイロン製なので空気中の水分を吸収して軟化する性質があるので、長期間使用するとバランスが良好でもフルパワーではピッチ逃げを起してしまうのであまり長く使わないほうが良いと思う。