KATANA90e (Hyperion)
 【機体関係】
 送信機
 Futaba FF9A
 受信機
 Futaba R1149DP
 エルロン サーボ
 WayPoint W-1706MS×2 (analog w:32g t:5.4kg 0.11sec)
 Futaba S9101×2 (analog w:45g t:3.1kg 0.16sec)
 エレベーター サーボ
 Futaba S9252 (digital w:50g t:6.6kg 0.14sec)
 ラダー サーボ
 Futaba S9204 (analog w:53g t:9.5kg 0.19sec)
 バッテリー
 RC-HOBBY 4.8V 720mmA ニッケル水素電池
 構造
 主翼:バルサリブ組、バルサハーフプランク
 胴体:上下部スチロールコア、バルサプランク
     バルサ側板組構造
 仕上
 オラカバフィルム仕上
 重量
 約3.7kg(動力バッテリー込)
 初飛行
 2007/09/01
 【パワープラント】
 モーター
 Hyperion HP-Z4035-14 (14ターン KV値299)
 アンプ
 HOBBYNET PMESC-90A(OPTO)
 動力バッテリー
 Hyperion LCX4250×2
 (14.8A 4250mmA コンスタント18C、バースト27C 381g)
 【運用データ】
 APC 16×10E
  − rpm / 73A
 とりあえずメーカー指定のプロペラ、恐ろしく流れるがLipo的にはKO
■ 機体について ■
このような小型機をはたしてF3A機に分類して良いものか迷ったが110クラスでクラブ対抗や予選会、さらには過去に本選まで出場した選手がいたのでとりあえずこちらにUPする事にした。
KATANA90eが始めてAirCreftのサイトにUPされた時はサイズが中途半端でイマイチ胴体が細く、エレベータやラダーにカウンター面が付いているし、エレベーターはアクロ機並みにでかいので、こりゃスタント機としては使えんわ、と思いほとんど興味はなかった。
そんな時、GO−Modelの松田さんが2006年の12月にOTRCで行われた電動機大会でフルサイズ機に混じりよいポジションを確保していたが、上手い人はどんなヒコーキを飛ばしてもそれなりに飛ばしてしまうんだ〜、と感心していた。さらに2007年のKMA曲技大会ではてっきり松田さんはフルサイズのBeryllを持ってくるものと思いきやまたまたKATANA90eで少々ガッカリしたがその飛びを見てしまうと欲しくなってきてしまった。さらにAirCraftではバーゲンセールが始まり\22.800と言う値段になったので速攻でゲットした。
主翼はバルサリブ組ハーフプランクとこのクラスでは一般的な構造でフルプランクではないのが少々残念だがプランク材がけっこう固いバルサが使われているので重くなってしまうのでしかたない所か。左右接続されて、ダウエルも取付けられ、ウイングボルトの穴も開いていてるのでアライメントも完了した状態になっている。構造的にはたぶんカンザシは入っていなくてイモ付け後ガラスクロスを張って強度を確保している。他のメーカーのARF機はカンザシ構造が多いがセンターのフィルムを剥がしてガラスクロスを張る手間が必要だが、このキットは不要でしかもカンザシが省略されているのでその分、軽量にもなっている。
胴体はエンジン機と全く同じ構造でラジアルマウントを用意すればそのまま特に改造の必要もなくエンジン機にコンバートが可能だ。ただし電動としては実に中途半端でペリーパン内にLipoを搭載する構造なので、Lipoを搭載する時はひっくり返さないといけない。電動専用機の割りにはかなりイマイチだ。構造は上部と下部はスチロールコアにバルサプランク+バルサ側板組なのでエンジン機と全く同じ構造。軽量孔は一切開けられていないので細い胴体の割りに剛性はある方だと思う。
カバーリングに関してはこの手のARFにしては珍しくオラカバが奢られているので修理や改造を気軽に行える。が、蛍光ピンクやバイオレット、さらにはブラック&ホワイトのチェックと一般的な色が使われていないのが痛い。笑ってしまうのは蛍光ピンクなんて使うのでカウリングやペリーパンの塗料と色合わせが困難だったらしくビミョ〜に色がちがうし、オラカバの蛍光ピンクは日光での退色が早いので余計に色が合わない。
■ 製作について ■
このヒコーキで気に入らないのはエレベーターやラダーのカウンター面だ、特にラダーはワイヤーのテンションが弱くなるとフラッターを起こしやすいので強めに張る必要があり、さらに強めに張るとサーボのキヤをナメやすい、さらにスラストラインよりも離れた所の舵面が多くなるのでナイフエッジでも起きグセが出やすいと思う。まさに百害あって一利なしとはこの事だと思う。
ラダーは比較的簡単な工作でできるしフィルムがオラカバなので手持ちのフィルムを張れるがショッキングピンクは手持ちがないので適当な色でごまかした。エレベータも同様であるがこちらはチェック模様のフィルムでしかもロッドでリンケージするので何とかなるだろうとそのまま組立てた。ちなみにBBタイプのアジャスターやボールリンクを使えば全く問題はなかった。
リンケージに関してはやはり付属物もはほとんどおまけ程度の物なので耐久性や信頼性に問題があるので定評のある国内製を使う必要がある。特にエレベータとエルロンはスタントの要になる舵なので交換する事により操縦性や飛びは飛躍的に向上する。
ラダーとエレベータのリンケージは下の写真の通り、ホーンはニシオカ製のラダーとエレベータのセット物です。エレベータのBBアジャスターは安いけどベアリングが小さいのでちょっと不安になるヒロボー製、MK製の方が安心できるが高額なので今回は小型機なのでこちらにしました。ワイヤーはホームセンターで買ってきた0.8mmφ、アジャスターはオリエント製、金属製のピンでハチッとロックができてスグレモノです。アジャストチップはキットに付いてきた物です。ちなみにエレベータロッドの胴体からの取出し部分はテフロンチューブを使ったらけっこうスムーズになりました。
尾輪はIM製でもう既に生産が中止になっているタイプ。ピアノ線がが曲がってしまった時に取外してメンテナンスができないのがイマイチですが、デザイン的には現行品よりも良いと思います。
エルロンのリンケージの様子。当初はEPP機ではデファクトになっているWaypointのサーボを使ってみた。安いし(\2,580なり)、軽いし(32g)、カタログスペックも良い(t:5.4kg s0.11sec)ので期待していたがリンケージの時に動かしてみるとスピードはそれ程速くないし、ニュートラル甘いし・・・・まあ、とりあえず使ってみる事にした。
リンケージはお気に入りの組合せ、サーボ側はJR製のボールリンク、エルロン側はニフテックの2.3mmタイプ、ロッドもニフテックだ。エルロンホーンはベルウッドです。
思っていたよりもWaypointのサーボはダメダメだったのでFutabaのアナログで定番のS9101と交換した。どうもこのサーボは6Vで使わないと本来の性能が出ないらしいが、他のフタバのサーボの関係で6Vは使う事ができないので交換とあいなった。
電動機の場合は振動が少ない為かアナログで充分でデジタルの必要性を感じない。アナログサーボを使うので消費電力も少なく受信機用のバッテリーも軽量な物が使える。
脚は付属のジュラ製は少し重いのでボーリーのカーボンタイプを使おうと考えていたが、良く考えるとQuickのTSUBAME90の白塗りのカーボン脚があったのでそれを使ってみた。このヒコーキは白が多いのでけっこうマッチします。
スパッツも付属の物は大きかったのでやはりお気に入りのOK模型のPP製のSタイプ。タイヤはMKのニューマッチクの52mmφ、車軸はやはりMKのホイルロック、これも安くて確実なのでお気に入りです。
ペリーパンに空けてある丸穴はアンプとLipoのコネクタを接続する為に開けてあります。
Lipoは重心とペリーパンの形状の関係でこの位置です。ペリーパンは後方をマグネット、前方を4mmのプラネジで固定する方法ですが、ネジ止めはメンドいので金井製作所製のカウルファスナーを購入しましたがLipoがこの位置なので取付けができず、しかたなくネジ止めにしています。何か良い方法はないものでしょうか・・・・
メカ積みはこんな感じです。エンジン機のようにタンクやエンコンサーボがないので少しガラガラですが、サーボや受信機の搭載はエンジン機と何ら変わる所はありません。電動機は振動が無い訳ではありませんので防震対策や擦れ対策、コネクタの抜け対策も同じように行います。
ARFキットで落とし穴はこの部分、ウイングボルトの台座と主翼の間に空間ができます。最近のパターンはスナップロールやアウトサイドループでは台座にかなりの応力が懸かりしなってしまいますが100フライトや200フライト位すると、その繰返しにより接着が甘くなり外れてしまい、主翼と胴体が泣別れなんて事になってしまいます。写真のようにバルサ材を接着するだけでしなりを防止する事ができます。
キャノピーは付属の物は背が低いのでただでも胴体が細く浮きが悪そうなのでQuickのスワローの物を型にグラスでN瀬さんに作ってもらった物があったので使ってみました。けっこう感じが良くなりました。
水平尾翼のヒンジラインははラダーのヒンジラインよりも6cmも前にあったのでアクロ機のようなレアアウトで見た目がスタント機としてはイマイチで、現在のロングテールモーメントの傾向に合わせるために4cm後にズラした。海外、特にアジアでの設計が全く中途半端なのが毎回頭に来る所だ。
■ 飛行編 ■
このヒコーキで電動スタント機も3機目になるのでセッティングの頃合が少し判ってきたような気がするので自分なりのセットをやってみた。
水平尾翼の取付けはスラストラインに対して前縁で-1.5mm、主翼は0mmとした。ただARFではスラストラインが判りにくいので少し曖昧です。スラストはサイドが1.5°、ダウンは0°と今までの経験上から少なめにしてみました。重心はやや前気味でスタートです。
Lipoのナラシを兼ねて背面と正面を繰返してエルロンのディファレンシャルを見ますが大体良いようです。気になってくればプロポで後から調整します。ナイフエッジで重心を見ますがやはりマニュアル通りが良いらしく10mm前だとUPに入ります。テールに10gのオモリを積んで何とかまっすぐに飛ぶようになりました。問題はやはりスラストですがエンジン機よりも少なめですが大体良いようでした。こちらも気になってきたら後から調整します。
電気が流れ気味なのでスロットルには気を使いますが引きは充分です。フルプランクではないので振動の多いHyperionのモーターなので2サイクルエンジンのような音がしますが胴体はリジットな構造なので音圧はそんなに高くありません。ただ水平のスピードは比較的速いほうでスロットルをそんなに開けなくも充分に走ります。ただ降下でもスピードの乗りやすのでスティックワークは忙しくなります。特にフルのオンコーナーではその前のインメルマンでかなり高度を取らないと苦しくなります。
ばろの群長機ではロングテールになっているので水平安定も良好で、しかも走るのでゆれも目立ちにくくフィーリングは良いと思います。ただナイフエッジでの浮きはイマイチなのでラダーが多目に必要でジワッと打たないとヒコーキが揺れてしまいます。
ストールターンではテールが長いせいか揺れやすいのでラダーを残してすぐに1/2ロールをやってごまかします。スナップロールはばろの群長の通常の舵角で問題なく入り、止まりも小型機ですがそこそこ止まります。別コンディションを用意する必要はありませんでした。(FF9だから出来ないとも言う)この演技もロングテールのせいか機軸のズレが少ないと思います。またスピンではやや止まりが悪い感じがします。
全体的には電動機特有のクセが割合少なく走るのでエンジン機からの電動機入門には都合が良いヒコーキです。ただ小型機なのでどうしも舵を打った時の初期動作がクイックでピーキーな感じがするのでエクスポネンシャルをフルサイズ機よりも10%ほど多目にした方が良いと思います。ばろの群長のパッケージはかなりお勧めですが電流がやばい範囲なのでフルスロットルにしないようにエンドポイントを下げる必要があります。
■ 履歴 ■
2007/10/28
第13回 北陸3県スタント大会のアドバンズクラスに出場、雨や天候不順でアドバンズドのパターンが全く練習できず、アンノウン状態で出場、何と3位をゲット!!(゜∀゜) ただし3人出場中(´д`; )・・・・