受信機の電源管理について
最近は電動機がどの飛行場でも珍しくなくなり当たり前のように電動機が飛んでいる。その為、話題は動力用の電源であるLipoや最近はA123などの話題で持ちきりだ。ところが受信機側(もちろんサーボも)の電源についてあまりい多くは語られない、まあ、最近では2.4GHzが使われるようになるとレギュレータがF3A機を中心に使われだしているので多少は関心が持たれてきたかも知れない。

電源管理の前にバッテリーを買ってきた時にまずやる対策はハーネスの取出し付近をグラステープなどでしっかり固定する事である。これは定番の対策で今更書くまでもないが、振動の多いエンジン機や電源ハーネスをよく抜き差ししている場合などには つねたんさんのサイト でも紹介されているがけっこう重要な対策だ。

バッテリーパックの定番の対策、テープでハーネスの取出し付近をしっかり固定。
ニッカドやニッケル水素のパックはラグ板をスポット溶接にて取付けてあるが0.3mm程度の薄板なのでエンジンの振動等でハーネスも共振してそれがしっかりラグ板に伝わったり、ハーネスのコネクタの繰返しの抜差しで疲労を起こしてクラックが入り、さらに割れてしまう事がたまにある。タグ板の状況はシュリンクチューブにより点検する事ができないのでラグ板付近はテープでしっかり固定すればかなりの確立でラグ板の割れを防ぐ事ができると思う。電源にトラブルが発生すると受信機やサーボは機能しなくなりヒコーキはコントロールを失い墜落してしまう。最悪、電源が瞬断してしまった場合はせっかく設定したフェールセーフにも遷移できずパワーが入ったままコントロールを失う場合もあり非常に危険だ。

BECではない限り電動機でもエンジン機と同様に受信機の電源を積む必要があるが、まずは管理方法を少し書いてみます。ただこれはあくまでも個人的な方法なので参考としてください。
まずは日曜日にフライトしますが、特に何もせずにそのままにして来週まで保存します。そして飛行場に行く前日の夜に充電器の放電機能を使い必ず放電させます。これはニッカドやニッケル水素のメモリー効果を防止する意味もありますが重要なのは充電器のクーロン計の機能でどの位の容量が残っていたかチェックする為です。なのでFutabaのバッテリーチェッカーには放電機能がありますが放電量が判らないのでそれを使ってはいけません。またクローン計の機能がない充電器はもちろんNGですが、最近はそんな充電器はほとんど見かけません。
放電が完了すると残量から前回のフライト回数から1フライトの電気の使用量などが割り出せます。バッテリーの実容量は再度充電する事により容易に把握する事ができますが重要なのは・・・・

1フライトに使用する電気量×フライト回数+放電量=充電量

と言う計算式が成立する事です。基本的にバッテリーの容量は気温などの影響によりキッチリ計算が合う訳ではありませんが日々の管理をしっかり行えば大体の勘所はつかめると思います。計算式が大きく誤差が生じた場合などは何らかのトラブルが考えれますのでフライトは中止して原因を探ります。
バッテリーの寿命ですが充電量が減ってきた場合はもちろんですが、デルタピーク電圧付近が高くなってきます。4セルの場合は7Vを越すようなバッテリーはもう寿命と考えた方が正解だと思います。

最近になってとうとうニッカドが製造中止になってしまったそうですが、このバッテリーは2次電池としては歴史があり長くRCの電源として使われてきたので感慨深い、RCの電源もこれからは脱ニッカドをしいられるが単純に置き換えるならニッケル水素になるがこの電池はまだ歴史が浅いので特性をしっかり把握しておかないとけっこうな確立でトラブルが発生するので個人的にはフルサイズ機には使用しないようにしてきた。
と言うのもニッカドの時代は国内メーカーがしっかりとした品質を維持してきて品質が非常に安定していてハズレ品はほとんど存在しなかった。ところがニッケル水素は国外品に関してはかなり品質にばらつきにがあり、さらに高容量のモノは突然死してしまったりと電源として使うには適さないと思う。ちなみにたまに見かけますが通常の乾電池型のニッケル水素電池を乾電池ボックスに入れて使用している人がいますが危険ですので止めた方が良いと思います。電子機器のトラブルで最も多い原因にコネクタの接触不良ですがバッテリーを乾電池BOXに入れて使う場合、4セルの場合い5接点、プロポ側で8セルの場合は9接点にもなってしまい、しかもコネクタとは異なり金メッキも施されていないのでほとんど接触不良を起こしてくださいと言わんばかりです。が、こんな書き方をすると今まで何ともなかったという人が必ずいます、確かに今まではトラブルは無かったでしょう、でもトラブルは明日起こるかも知れません、自分的には電源のトラブルは大変危険なので施せる対策は必ず施すようにしています。

フルサイズF3A機のエンジン機と電動機の受信機用の消費電流ですが大きく異なります。特にデジタルサーボを使っている場合は1500mAhのニッカドではエンジン機は4フライトを上限とするようですが電動機の場合は8フライトしてやっとFutabaのバッテリーチェッカーで5.0Vになるので追充電となり充電してみますが300〜350mmAh位しか入りません、1フライト50mmAh弱の使用量です。ちなみに充電してもそれ以上はもうフライトする元気はもう無いです・・・・
これは電動機はフライト時間がエンジン機よりも少な目と言う事も言う事もありますが、デジタルサーボの特徴である舵面の保持力が強い事ですがエンジン機の場合は振動により舵面の保持に多くの電力が使われしまうのに比べ振動の少ない電動機はこの電力が少なくてすみアナログサーボ並みの消費電力です。 まるこむ的には2.4GHzに移行を渋っているのは電源にあります。と言うのも個人的にはレギュレータはほとんど信用できないのです。仕事柄コンピュータにかかわっていますがその多くの機器障害のトラブルは電源に起因します。しかも立ち上がり時の突入電力は通常の何倍にもなり電源機器に負担にとなります。サーバーなどは常時電源が投入されているのでこの手のトラブルは少ないのですが事業所で使われるパソコンは毎日電源を入れ切れするので電源回りのトラブルは立ち上がり時に集中しています。RC機の電源も同様に常に消費電力が変化するサーボを駆動するのに果たしてそのようなトラブルを起こしやすい半導体のレギュレータを使って良いものかと疑心暗鬼です。特にスナップロールでは一気に3舵ともフルストローク操舵するので一気に電気が流れレギュレータがパンクして電気が瞬断、Futaba製の2.4GHz受信機はいきなりリセットされ制御不能、またフライトする度に電源をON-OFFするので素子に負担が多いような気がしますが、まあRC機の場合はいきなりサーボが動き出す事はないので突入電流は少ないと思いますがなかなか踏み切れませんでした。

フライトパワー製のリニアタイプのレギュレータとRX専用の1600mmAhのLipo
と言う事で2.4GHzはここ半年位静観していましたがどうやらかなり信頼できるシステムのようなのでいよいよ導入してみる事にしました。レギュレータは使う素子によりリニアタイプとスイッチングタイプがありそれぞれ長所と短所があります。

まずはリニアタイプ、これは昔から楽しい電気工作等でよく使う超アナログな3端子レギュレータを使った物でサンケンというメーカーが有名でした。100Vからの安定化電源ではトランスや平滑回路必要ですが電源がDCですので非常に回路はシンプルです。欠点としては発熱しやすいので大型のヒートシンクが不可欠でレギュレータを小型にしにくいところでしょうか、発熱が多いと言う事で効率も少し悪いようで大容量の物はあまり無いようです。利点としてはアナログ素子なのでスイッチングノイズの発生がなくきれいな電力を供給します。最近はオーディオのアンプにもスイッチング電源が使われているようですがPAなどに使う業務用のアンプはこのタイプを使っていますがかなり高額です。また歴史のある素子なので信頼性もあるような気がするので個人的にはF3A機にはこちらのタイプを使おうと考えています。

スホーイ140Eに搭載したJETI製のスイッチングタイプのレギュレータ、Lipoは長期在庫のコカム製を使用
最近の電源の多くはスイッチングタイプになって来ました、8本足のFETをズラズラ並べる事により使える電力を任意に増やすせマイコンなどを使いスイッチングによる電力制御も容易です。RCで言えばブラシレスモーターのアンプは全てこのタイプです。レギュレータでは特に電力制御する必要は無いのですが任意に出力電圧は変えられます。利点としてはFETは小型で軽量、しかもスイッチングにより電力制御しているので発熱も比較的少なく、レギュレータ程度の電流ではヒートシンクなども小型のアルミ板程度のもので十分です。欠点はスイッチングノイズがどうしても発生しますのでRC用の電源としてはハーネスにフェライトコアなどを施した方が良いかも知れません。またキャパシタが必要でしかも電解コンデンサを使いうのですがコイツまた信用できません。またスイッチングタイプは素子が小型軽量なので無理がきかないような気がします、大電流が流れるとすぐに焼損するイメージが強くF3A機のレギュレータには怖くて使うのを躊躇します。

(2009/03/22 記)