なぜ電動機?!
飛行場では最近は余り言われなくなったが検定会などの大会に行って良く言われるのは「エンジン機ならもっと飛ぶのに・・・」と言うような意味合いの言葉を良くいただきます。
海外では電動機は珍しくないが日本では・・・・
確かに少しお金を出して完成機を購入してYSのDZ160やDZ170を積んで飛ばせば道具としては完成された域にあるので、もうこれ以上のパッケージはなく検定会や大会で好成績を収めるには最も近道だと思う。
今の完成機は一般人はそのレベレまではとても製作できず、もし出来たとしてもその手間を考えると買ったほうが安いと言える。今やスタント機を製作するにはフルサイズ機を工作する部屋と吹付塗装が出来るスペースが確保できる少数の人のみとなってしまった。
また日本が誇るYSエンジンは特に扱いさえ間違わなければそのパワーは強力でしかも従来の専用エンジンの様に気難しい所はまったくなく100フライト以上ノーメンテで使えてしまう。また不調になってしまってもメーカーに送ると1週間程で修理が完了して戻ってくる。細かい事ではプラグも長持ちでウカウカしていると1年間そのまま使ってしまった事もある。YS以外のエンジンをたまに使うとやたら寿命が短かったり、頻繁にメンテナンスが必要だったり余り良い印象がない。
海外では電動機が多くなってきた理由は色々あるがアメリカなどでは大会などの会場が標高差が時には2000m程にもなってしまい調整が困難との事で気圧の変化に関係の無い電動が使われるようになってきたとの事です。またヨーロッパでは電動アイテムのメーカーが多く、また環境への配慮も重要視されます。でも基本的にはパーツの手配や修理にその都度日本経由になるのでメンテナンスやパーツの手配に時間がかかってしまう所にもあると思う。日本ではその真逆になりCyclon(モーターです。ちなみに英語の綴りは"Cyclone"になります)をメルトダウンさせて修理に出した時も、クレームに出した時も1ヵ月以上は楽にかかった。
現在スタント機に使われるギヤダウンはHackerのC50コンペになるがこのシリーズは電動機で問題になるクーリングがクリアされているのでギヤダウンを使う上では他に選択肢は無い。ちなみに以前からあるレーナー&ライゼナウアーの組合せはF3Aの世界ではクーリングの問題で使われる事はない。逆にHackerはクーリングを解決した事により現在は幅広く使われていると言える。日本で電動機のイメージを悪くしている一番の原因はギヤダウンを使う事による非力感だと思う。特にYSエンジンは中速での太いトルク感だと思うがギヤダウンは低速から中速まではそこそこトルク感が有るそうですがそこから上がスカスカで飛ばしにくいそうです。
現在ギヤダウンの入力は2500〜2700Wが限界でこれ以上はギヤの破損やメルトダウンなどが発生する可能性があり危険だと思う。ところがアウターは3000Wの設定も普通にオッケイで3300W(1PS=735Wで換算してもらえばそのパワーが判ります、ちなみにLipo10セルで90A流す設定です)なんて設定も真夏は危険だがスロットルに気を使って飛ばせばアリだ。この出力はかなり魅力だが取扱を間違えるとやはり危険でかなり気を使う。
アウターはこの麻薬的なパワーが魅力で、ハッカーなどのギヤダウンでは頭が決まってしまっているので面白みがない。もし世の中にギヤダウンがしかなかったらエンジン機に戻ってしまっているかも知れない。

(2007/09/30 記)