スラストラインと取付角
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話はそれるがそれとはけっこう無縁の世界があり、主翼がゴム止めのヒコーキなどは主翼を付けるたびに翼端で10mmほどアライメントが狂ってしまうなんていうのは当たり前なくらいだ。最近良く飛ばしているハンドランチのRockyなどは投げるだけでハンドキャッチしてみるとセンターがずれているのが判るのでそんな時は翼端では50mm位狂ってしまっていると思われる、ところが飛行には全く支障はない。この手のヒコーキで尾翼の平面形のアライメントを厳密に製作するのは無意味とは言わないが接着後狂いに気付いていも切開手術の必要はないものと思われる。
そんな中で割合ほとんどの人が側面形のスラストラインに対する主翼と尾翼の取付角をあまり気にしていない・・・・、と書くとアクロ系やファンフライのヒコーキを飛ばしている人には鼻で笑われてしまうかも知れないが、一般的には対称の翼型(「よくがた」と読みます。「よくけい」はNG)を持つアクロ機やスタント機はスラストラインに対して主翼と尾翼はゼロ、ゼロで取り付けるのが普通と考えれているからであり実際、多くのキットやARF機がその様に設計されている。そんなところにきて主翼や尾翼に取付角をつけているのはクラークYの翼型を持つ練習機かグライダー(スロープやF3Bは不明)の世界だろうと思われているのが普通だ。そうしないと正面(「せいめん」と読む方)や背面でエレベーターのニュートラルの相違が出てしまったり、ナイフエッジでアップ癖が出てしまうと考えれるからである。
ところが初心に帰ってよ〜く考えよ〜♪、お金は大事だよ〜♪ もとい、ヒコーキが飛ぶには推進力と抗力、揚力と重力のバランスの上で飛んでいる訳だがここで問題になるのは揚力と重力、当然空気より重たいヒコーキが空を飛ぶ訳なので主翼にはそれなりの揚力が発生しないと重力に打勝ことはできない。まあ、今さら書くこともないが主翼の上面と下面の空気密度の相違による負圧で揚力を発生するには半対称翼やクラークYのようなフラットボトム翼、さらには下面が上面側に湾曲したキャンバー翼等じゃないと取付角がないと揚力は発生しない訳だが、見事にそもままでは揚力が発生しない対称翼でもラジコンのヒコーキはちゃんと飛んでいる。
これはエレベータートリムを若干アップにすることにより主翼に迎角(「むかえかく」と空力学的には読む)をつけることによって揚力を発生している訳だが、対称翼でスラストラインに対して取付角がゼロのヒコーキでも正面で水平飛行を真直ぐ飛ぶようにエレベータートリムを合わせると背面では必ずアップ側にとられる(ダウンをかなり打たないといけないと意味)。どちらもまっすぐ飛ぶヒコーキはまず有り得ない。・・・・と思う( ゚Д゚)/チョットヨワキ
ターンアラウンドの演技になってからというもの垂直上昇と垂直降下が組合された演技が実に多くなってきた。スピードスタントの時よりもコンスタントスピードと上昇力が求められてエンジンの出力増加とヒコーキの軽量化と大型化が進み現在は2mスクエアのものが主流だ。そんな中で命題になっているのが垂直上昇時や水直降下時のアップグセだ。当然このクセは水平飛行でトリムを合わせるとエレベーターが若干アップになるのでそれに起因する。
ニュートラルでやや上昇していくヒコーキを少しダウンを打ちながら水平飛行させるのはかなりムズい、それを垂直上昇時や垂直降下で同様の操舵をしいられるとかなり辛いのでこのアップグセを何とかしたいのが人情だ。アップグセの基本的な原因としては前記のように迎角ゼロでは揚力を発生しない対称翼をトリムアップすることによって水平飛行するようにしている事に起因する。知っている人は知っていると思うがMKのスタント機で見るとサイレントからは水平尾翼の取付角が調整ができるようになったがそれ以前のキットでは主翼には前縁で+3mm程の取付角が付けられていてエレベーターのアップトリムは解消され、垂直上昇時や水直降下時のアップグセかなり改善された。
さらに水平飛行時はややダウントリムにしてややアップを引きなながら水平を出すセットもよく使われる。基本的にロール系の演技はスタート時よりも終了時に高度が上がってしまうと非常に見た目が悪い、もちろんスタート時と終了時が同じ高度というのが理想的だが高度がやや低くなるのはさほど違和感もなくうまく水平を出せない時は上がるよりも下がっていく方を良しとして練習をしていた。どちらにしても水平飛行も演技もスタート時よりも高く抜けるのは点が出にくいので十分な練習が必要だ。( ゚Д゚)/オメーモナ
50クラスや90クラスは尾翼の取付角の調整機能が装備されていないので主翼の取付角での調整となるがこれが案外簡単で今の通常のスタント機では最近ゼロゼロの取付角が多いので垂直上昇時や水直降下時のアップグセが出るようなら主翼の勘合部に完成時はバスコーク処理を施さず、バルサ片でカイモノをして取付角の調整が取れた後にバスコーク処理をする方法がベターだ。
平面形のアライメントも重要だが側面形の取付角も水平飛行という最もスタント飛行には基本的な演技には重要なファクターなので
一度チェックしてはいかがだろうか。
(2004/05/28 記)